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水の汚染は工業排水、都市の生活排水の増加と共に確実にひどくなってきています。 飲用水には700以上の有機および無機の化学物質が含まれており、そのなかには癌、奇形、中枢機能低下、ホルモンかく乱、その他の病気を引き起こすものがあることがわかっています。 U.S. Health Officials は米国では、水に起因する疾病で毎年900,000人が病気にかかり、900人が死亡していると推測しています。 "Natural Resources Defense Council"によると、アメリカでは1991年から1992年までの間にフェニックス市だけで実に17,364件のEPA水質検査基準の違反が報告されています。 日本では情報開示が進んでいないため本当の実態はつかめませんが、アメリカより勝っているとは思えません。水の汚染が考えられないような田舎で突然汚染の実態が報告されるなどの例などは、一部の心無い業者による不法投棄が原因と考えられるでしょう。ゴミの不法投棄は形跡が残りますが、化学薬品などの場合は地下に浸透して形跡を残しません。行政の水質基準、指導、メーカーの姿勢、基準の数字の根拠・妥当性、実態の情報開示の程度を考えると大半の人が日常飲んでいる水の安全性に不安を覚えるのではないでしょうか。 水が体に有毒かどうかを議論する段階ではなく、今はいかにしてリスクから自分を守るかの問題になっています。 浄水は、昔は自然の浄化作用を原理とした緩速濾過方式でしたが、近年の需要の急増と水質の悪化に伴い、大量の水をスピーディーに化学的に処理する急速濾過方式に取って替わられました。塩素やその他の薬品を大量に使い水を消毒、浄化する方式です。 この方式は場所を取らない、大量の水を効率的に処理できる利点がある反面、大量の塩素の量を投入するので、水中の汚濁物質と反応して発ガン性をふくんだ多くの有害物質ができます。また汚染度が高いほど投入する塩素の量は多くなるので、発ガン性物質、有毒物質も比例して多くなります。 水道水には蛇口のところで”0.1ppm以上の塩素があること”の規定はありますが、上限の規定はありません。近年では原水があまりに汚染されているので、安全第一でその10倍以上もの塩素が投入されています。また夏には当然細菌の危険性が増すので塩素の投入量が増えます。 今のシステムでは原水が汚れれば汚れるほど、有機物と反応する塩素がより多く必要になり、発ガン物質であるトリハロメタンなどの有機塩素化合物も比例して増えます。 また、安全だと言われてきた地下水も、排水や農薬の影響で最近では多くの有害物質に汚染されてきています。 |
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単位:net rev./リットル |
何万種類もの化学物質を管理するには、特定の物質の数値基準だけでは限界があり、またその意味にも疑問があります。総合的な危険性の管理手法として開発されたのが、「変異原性」です。 変異原性とは、遺伝子に突然変異を引き起こさせる性質を言い、この性質が強ければ発ガン性の疑いが強いと言えます。この手法では、突然変異を起こしてはじめて増殖できる細菌を使います。この細菌に、100ml程度の水道水から集めた汚染物質を与えて細菌の増殖数を調べます。増殖した変異原性の数が多いほど遺伝子に変異をもたらす危険化学物質が多いと言えます。 この手法では特定の物質の危険性ではなく、総合的な水道水の危険性が評価できます。 新・今「水」が危ない(地球環境白書、学研)より |
参考文献 ・ 体にいい水・悪い水(江藤カズオ、KKベストセラーズ) |
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