過剰な期待はいけません。水は薬ではありません。
浄水器は水を活性化して、健康を増進したり病気を治すものではありません。

1)日本とアメリカの文化の違いとメーカーの姿勢

2)避けた方がいいメーカーと商品のチェックリスト

3)問題商法一覧

  • 点検商法
  • 実験商法
  • アンケート商法
  • モニター商法
  • 内職商法
  • 無料商法
  • マルチ・マルチまがい商法

4)浄水器の悪質売り込み事例

1)日本とアメリカの文化の違いとメーカーの姿勢


日本とアメリカの文化の違いとはいえ、浄水器、整水器メーカーの姿勢はあまりにも違います。アメリカは訴訟社会なので、事実と異なる根拠のない、あるいは効果のない宣伝をした場合、消費者から損害賠償で訴えられて、多額の賠償金を払うことになります。それゆえ、データを使用しての有効性の宣伝も厳密でしっかりしています。日本の現状は、説明するまでもありません。

日本では水のクラスターの数が小さくなり、体への吸収がよくなりアトピーが治る、はたまた磁気と遠赤外線を使った水の効果、アルカリ水、πウォーターの効果がどうだこうだと、まるで魔法の水に変えるかのような効能をうたっているメーカーが多い。さすがに大手のメーカーは、控えめであるが、それでもしっかりした根拠のあるデータを示しているメーカーはほとんどありません。

活水器、整水器、磁化水、アルカリイオン水、πウォーターで効能・効果が明確に実証されているデータは見つけることができません。

なお、アルカリイオン整水器は1992年、国民生活センターの発表で、「その効能・効果に疑問あり。水道水と大差なし。」と大きく報道されました。πウォーターも国民生活センターの検査で「水道水との差は認められない。」と発表されています。

いろんなメーカーがうたっている理論と効用を、水の研究者の目で痛快に切っているお茶の水女子大学の冨永研究室非公式案内の「水商売ウォッチング」はメーカーの姿勢を知る上で非常に参考になります。
(見たい方はリンクからどうぞ)

back to top

2)避けた方がいいメーカーと商品のチェックリスト


下に当てはまるメーカーや商品は避けた方が賢明でしょう。

水のクラスター(水分子集団)理論が出てくる、あるいは「小さな水分子」の説明が出てくるところ。(クラスターは測定できません!)

効能ばかりうたい、効能の根拠、データを具体的に数字で示していない。

水の汚染、健康への害を必要以上に強調している。

老化を防ぐ、シミ・ソバカスが治る、健康になる、体質改善になる、アトピー性皮膚炎や糖尿病、高血圧、病気が治る、風呂が早く沸くなどの効能・効果の商品。

大学教授、医者のお墨付き、推薦を受けている(強調している)商品。日本では消費者を信用させるもっとも手っ取り早い方法で、またいかがわしい会社がよく使う手です。

特許をうたっているが、商品の構造や材質がよくわからず、値段も高い。

水を検査した後、ここの水は汚いと言って浄水器を勧める。

マルチ販売まがいの商品

アンケート、モニター、内職、無料サービスなどのマーケティングを行っている。

すべてを解決するかのような売り文句。そんなすばらしい商品は残念ながら存在しません。

メンテナンス(フィルター交換)が不要な商品。信頼のおける商品はすべてメンテナンスが必要です。

back to top

3)問題商法一覧

 

キャッチセールス

駅や繁華街の路上でアンケート調査などと称して呼び止め、喫茶店や営業所に連れて行き、応じない限り解放しない雰囲気にして商品やサービスの契約をさせます。

無料商法

「無料招待」「無料サービス」「無料体験」など「無料」をセールストークや広告にして、人を集め高額な商品やサービスを売りつける。浄水器では製品を無償にして高額なカートリッジを定期的に購入させる商法もあります。

アンケート商法

商品販売の本来の目的を隠してアンケートに答えさせ、それをきっかけに商品購入の契約をさせます。

水への関心の高さを反映した浄水器の契約をめぐる、アンケートのお礼商法のトラブルは多発しています。

モニター商法

モニターになれば、商品やサービスを格安で提供すると思わせたり、多額のモニター料の支払いを約束して、商品購入を契約させる商法です。

点検商法

水道水の点検に来たと言って来訪し、「水が汚染されて危険」などと言って不安をあおり、商品・サービスを契約させます。水道局の職員を装っての訪問販売もあります。

実験商法

試薬などを使い、水道水がいかに汚いかの実験をして見せ、浄水器を使わないと危険・有害であるかのように誤認させて商品を売りつけます。 実験には塩素に反応して水が変色する試薬などを用います。

内職商法

「在宅サイドビジネスで高収入を」などの広告で勧誘し、自宅での浄水器の推薦文写し書きの契約業務をえさに浄水器を買わせ、仕事内容にクレームを付けて、契約書に記載している保証業務料を支払わない、あるいは値切る悪質な商法です。

マルチ・マルチまがい商法 

「ネズミ講」は、一定の金額を負担して組織に加入し、新たな会員を加入させることによって「ネズミ算」式に組織を拡大すれば、大きな利益が得られるという金銭 配当組織であり、「無限連鎖講の防止に関する法律」 で禁じられています。

このような組織拡大システムに物品販売等を巧妙に絡ませたものが、マルチ商法、マルチまがい商法(あるいはネットワーク、マルチレベルマーケティング販売とも呼ばれることもある)で、法律の定義に該当しないように装って規制を逃れています。法律に違反しないという意味では、合法的なマーケティング手法です。

この商法の問題点は、販売業者、販売員が一部の成功事例を引用して、多大な利益が容易に得られると信じこませることや製品の優秀性を協調する、また、色々なしがらみを利用して消費者を販売組識に加盟させようとする行為などがトラブルとなることが多いことです。販売員となった消費者は、商売の経験が乏しい主婦や青少年が多く、売れない商品を抱えたり、不必要な商品を購入させられるなどの問題が生じています。

販売組織の加盟者が消費者を組織に加入させ、さらにその消費者に別の消費者を組織に加入させることを次々に行うことにより組織をピラミッド式に拡大していく商法ですが、実際にもうかるのはピラミッド組織上位のほんの一握りといいます。

ビジネスとしての可能性は否定はしませんが、安易に販売員のおいしい話のみを鵜呑みにせずに、ビジネスのリスク(難易度)と購入する商品の性能、価格を冷静に検討することが必要です。

back to top

 

4)浄水器の悪質売り込み事例


国民生活センター
 (http://www.kokusen.go.jp/index.html)


  • 内職募集をうたって、浄水器を売り付ける業者
    相談内容
     乳児がいるので自宅でできる内職を探していた。「自宅で家事の合間に写し書き。1日10枚で、平均業務料10万円〜(保証業務料月5万円+アルファ)。商品の購入条件等はありません」という新聞の折り込み広告を見て、写し書きの内職なら自分にもできると思い業者に電話をした。すぐに担当者という女性が自宅に説明に来た。
     仕事の内容は、業者の提供する見本を見てA4判の文書を1カ月300枚写し書きすることである。文字はうまい、へたは関係がないと言われ、見本に渡されたものを見て自分の字でも大丈夫だと思った。そこで、仕事をしたいと言ったところ「この写し書きは浄水器の推薦文で、最後にあなたの使用感想を書いてもらう。そのために浄水器を購入し、特約店契約をしてもらう。浄水器の代金はクレジットを使えば毎月の内職の収入で支払えるし、特約店契約は無料」と言われた。15万1200円で浄水器のクレジット契約をしたが、クレジット手数料が高額なので、数日後、現金購入に変更し全額支払った。
     しかし、300枚の写し書きを2カ月間やったが約束の収入にならない。浄水器を引き取ってもらい特約店契約を解除してほしい。(30歳代 女性)
  • 若者に多いマルチの被害
     10日ほど前、「他の人を販売組織に加入させて商品を売ると収入になる。」と友人に勧められ、断りきれずに組織の会員になり、会費として1万円を支払い、浄水器・シャンプー・ボディーソープなど総額46万円をクレジットを利用して購入した。
     その後、友人や知り合いにアプローチしてみたが、新しい会員の獲得や商品の販売はできなかった。勧誘にあたっては強く勧めたため、友人関係にひびが入ってしまった。月々のローンの支払いができるか心配なので解約して返品したい。
     なお、購入した商品は使用していない。
  • アンケートに答えて、お礼に浄水器?
    アンケートに答えたのがきっかけで、電話がかかってきたり、訪問販売されたりという苦情が多いなか、水への関心の高さを反映した浄水器の契約をめぐる、アンケートのお礼商法のトラブルが多発しています。
    【事例1】アンケートのお礼にプレゼントとして浄水器をもらった。その時、半年ごとに有料でフィルター交換が必要と説明された。半年経過後、フィルター交換を断ると、浄水器を返せと言う。
    【事例2】水についてのアンケートのお礼に、おいしい水をプレゼントとすると訪問され、「水道水は安心して飲めない、浄水器の水はアトピーにもいい」と浄水器を取り付けられた。高額なので返したい。
  • 浄水器のアンケート商法が急増! 「無料でプレゼント」というセールストークも
    「アンケートにお答え下さい」と家庭に訪問されて応じたところ、本当の目的は浄水器や浄水器のカートリッジの販売であり、浄水器などを契約させられたというクレームが急増している。「アンケート」といって消費者の警戒心を取り除いて訪問し、実は商品を売りつけるという商法である。
    相談の主なパターン
    【1】アンケートに答えてほしいと業者が来訪する。
     ・ 「アンケートに回答したらお礼に浄水器を無料でプレゼント」「抽選で浄水器が当たる」などと言われる場合が多い。
     ・ 最初の来訪ではアンケートをとるだけ、また、後日「浄水器をプレゼントするので来訪したい」と連絡が入るケースなどがある。
     ・ 来訪ではなく電話でのアンケートに回答後、後日業者が来訪するというケースもある。
    【2】アンケート回答後話を聞いているうちに、以下のような事態になってしまう。
     ・ 浄水器の契約をさせられる。アンケートのお礼に無料でプレゼントされるはずが、別の高額な浄水器を契約させられるというケースもある。
     ・ 浄水器は無料でプレゼントされるが、カートリッジの長期契約をさせられる。
     ・ 7年分のカートリッジ代(月々2700円)のクレジット契約(総額約44万円)をさせられた。
    消費者へのアドバイス
     ・ アンケートと言って来訪したにもかかわらず、当初の目的とは違う浄水器等の販売勧誘をする業者は信用しないほうがよい。アンケート回答後に浄水器やカートリッジの契約を勧められても必要がなければきっぱり断ること。また、無料で商品をもらえるからといって容易に業者の話に乗らないこと。
     ・ 訪問販売で浄水器や浄水器のカートリッジを契約した場合は、法定書面を交付された日から8日以内であればクーリング・オフ(無条件解約)ができる。クーリング・オフ期間が過ぎても販売方法等に問題がある場合は解約できることがあるので、早めに最寄りの消費生活センターに相談すること。

大阪府茨木保健所
住まいの衛生相談家庭用浄水器のはなし”府民の方からこんな相談がありました”より。 (http://www.iph.pref.osaka.jp/phc/ibaraki/eisei/eiseika/kankyou/jousuiki.html)


  • セールスマンが浄水器を売りに来た。浄水器を付ける前の水道水に試薬を加えたところ水が黄色になった。こんな汚い水を毎日飲んでいるのですよと言われた。この浄水器を付けたら、透明になり、きれいな水になりますよと言った。本当でしょうか?

    A) 水道水が黄色になるのは、試薬と残留塩素が反応したためです黄色になることにより、その水道水が消毒効果があることを証明しているのです。よって、透明になったということは、残留塩素がゼロになり、消毒効果がなくなったことを表しています。

    浄水器は、鉄分などと一緒に、残留塩素も除去するため、浄水器本体にたまっている水には、細菌増殖の危険があります。使用条件によっては、浄水器の使用により水道水の水質を悪化させるケースがあるので注意が必要です。

愛媛県生活センター 
多様化している浄水器の勧誘・販売方法 (http://www.pref.ehime.jp/ecc/attend/claim8.htm)


概要

訪問販売等無店舗販売による浄水器の契約トラブルが増えています。これらの苦情相談の内容をみると、勧誘方法(手口)が巧妙で、販売目的隠匿や錯誤による契約など問題があり、注意が必要です。

相談事例

  • 訪問してきた業者が「水道水を見せてくれ」と言うので、水質検査かと思い、家に上がってもらったところ、水を検査した後、ここの水はよくないと言って浄水器を勧められ、購入契約をしたが高額なので解約したい。(金額:23万円、相談者:30歳代の主婦)
  • 友人が職場の上司から、浄水器や布団を購入し紹介販売をするように勧められている。購入者があれば10%の紹介料が入るというが、このような商法に問題はないか。(相談者:20歳代の会社員)
  • 2日前に電話で、水道水についてのアンケートに答えたところ、翌日、販売員がやってきて、おいしい水が飲めるからと強引に浄水器を勧められ、購入契約をしたがやはり高額なので解約したい。(金額:30万円、相談者:60歳代の主婦)

問題点

「水道水を調べている」などと、水質検査を装ったり、水道業者を装うなど、販売目的を隠して訪問する。また、塩素反応を悪用して水に色を付け「有害です」などと、消費者の錯誤を誘い勧誘する。浄水器には比較的安価なものもあるが、訪問販売等の無店舗販売では必要以上に高額な商品を勧める場合が多い。浄水器の販売では、トラブルの多いマルチまがい販売が行われている場合も多い。

アドバイス

浄水器は、ろ過材によって性能に大きな差があります。従って、使っている水道水の何に不満があるのか、浄水器に何を期待するのかを明確にした上で、商品を選ぶ必要があります。

浄水器は毎日使い続けるものだけに、メンテナンスが必要です。そのことも考慮して購入店を選びましょう。

浄水器には、ろ過材をカートリッジ式で交換するタイプと逆流洗浄するタイプとがあり、どちらのタイプもそれなりに維持費がかかります。

京都府消費生活科学センター (http://www.pref.kyoto.jp/shohise/s_07.html)


浄水器・整水器の訪問販売での相談が増加。当選商法など多様な勧誘

(相談件数:平成6年度55件/ 平成7年度79件/ 平成8年度49件/ 平成9年度70件)

訪問販売での相談が前年度の12件から40件へと大幅に増加した。

  • 具体的な勧誘方法としては、モニターになって欲しいとか水質検査をしますとか言って家庭を訪問し勧誘するものや、アンケートで当選したということで来訪し5年分のカートリッジ交換契約をさせるなど多様な手法がとられている。

back to top

 
meisui.com