水道水と浄水の差を色で示します。水中に電流を流し、水中に溶け込んでいる微量不純物を電気分解することにより、目で見える固形物の形態を作り出します。
陰イオンを持つ物質はマイナス(−)極のアルミニウム棒に酸化作用による化合物質として付着させ、陽イオン物質はプラス(+)極の鉄棒に還元作用による化合物質として付着させて浮かび上がらせます。
カラーテスター
水質の差が一目瞭然にわかります。
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第1のステップ、初期
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第2のステップ、3〜5分後
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浄水 水道水
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浄水 水道水
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結果: 逆浸透膜での浄化水はわずかに黄色がかった透明な色をしていますが、水道水は黒くにごっています。
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注意:テスト中にロッドを触らないでください。
メカニズム:
(+)の電極と(−)の電極を使って水の中に存在する電解物質(ミネラルイオンなど)を電気分解します。水溶液中で陽イオンと陰イオンに分離する物質を電解質と呼びますが、両方のイオンがそれぞれの極板に達すれば、極板上に析出します。そして目で見える固形物または色が生じます。
(1)+側には酸素、−側には水素のガスが発生。
(2)水中を電気が通ることにより電極が溶解する。
(3)電極の表面に電解物質が析出して付着する。
(4)電極、電解物質が化学変化で別の物質に変る。
注:色の変化は必ずしも水質の異常、有害物質の存在を意味しません。
カラーテスターの(+)と(−)の電極を水道水中に浸して電気を通すと、茶色の沈殿物が出てきます。しかし、逆浸透膜やイオン交換樹脂などを用いた浄水器から取った水で同じ試験をしても沈殿物ができません。
このような実験を見せて、業者の中には「水道水には、こんなに不純物が(健康にも害がある)が含まれているが、浄水器を通した水は、不純物が取り除かれてこんなにきれいになります。」と説明することがあります。
茶色の沈殿物(水酸化第二鉄)は、水中を電気が通ることによってテスターの金属電極(+極)が酸化され溶け出したものです。水道水には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンをはじめとして様々なイオン物質が微量に含まれているため電気を通すことができます。このため、電極棒の鉄が溶け出して茶色の沈殿物になります。ですから、健康に害のあるものに反応して沈殿物が生じたわけではありません。なお、電極に使用する金属の種類によって沈殿物が茶色でない場合もあります。
一方、水道水を浄水器(逆浸透膜やイオン交換樹脂などを使った純水に近い水を造る方式のものに限ります。)に通した場合、水道水に微量に含まれているイオン物質が取り除かれて純水(溶解成分のない水)に近い水になります。このため、電気を通しにくくなり沈殿物ができません。必ずしも水質の異常によるものではありませんし、健康に害のあるものが含まれているために沈殿物ができるのではありません。
色と沈殿物の変化は、水中の電解質の総量の変化の程度を表すだけですが、カラーテスターはTDSメーターとともに浄水器の能力や能力の低下具合を手軽に見れるよい方法です。逆浸透膜の浄水能力の低下具合と、交換時期はいずれかで簡単に調べることができます。
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